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ツンドラ Tundra


イルリサット旅行記、4回目。 Ilulissat travelogue, 4th.

ツンドラ地帯は、地下に永久凍土が広がる草木が生えない地帯を指します。(高山ツンドラは少し違うようですね。) Tundra is the area where there is no grass or trees with permafrost beneath. (Alpine tundra is a little different.)

夏には地表の氷が溶けてコケや地衣類が生えてきます。 In summer, the ice on the ground surface melts and mosses and lichens grow.

氷河にもフィヨルドにも興味がありましたが、実は絶対に時間を見つけてツンドラの荒野を歩いてみたいと思っていました。I was interested in both the glaciers and the fjords, but in fact I definitely wanted to find time to walk the tundra wilderness.

なぜなら、友人に勧めらて『極限大地』という地質学者が書いた本を読んだからです。初めは英語版を読んでいましたが、あまりにも難解な専門用語が出てきたので、日本語訳で読み終えていました。 This is because a friend recommended a book written by a geologist called “A Wilder Time“. At first, I read the English version of the book, but I found the terminology too difficult to understand, so I finished reading the Japanese translation version.

バンちゃんは興味がないので、私一人でゆっくりと歩きました。 Banchan was not interested, so I walked slowly on my own.

ここで確かめてみたいことがいくつかありました。 There were a few things I wanted to check here.

一つめ:極限大地の本の中で作者は次のように記述しています。 First: In the book ”A Wilder Time”, the author describes;

一歩踏みしめるたび、不法侵入しているような気分になる。何千年ものあいだ誰にも邪魔されなかった大地に乱暴に襲いかかり、土足で汚しているように思えた。(略)ブーツが地面を離れるとディテールは再び隠れ、コケは元の姿に戻るのだった。

With each step I took, I felt like I was trespassing. It seemed as if I was violently attacking the earth, which had been undisturbed for thousands of years, and contaminating it with my feet of dirt. (Omitted.) As soon as my boots left the ground, the details would hide again and the moss would return to its original form. (Note: The English quote is not the real quote from the book. It’s my translation from the Japanese edition.)

作者はその発見に「彼の存在は午後に吹くそよ風と同様、撮るに足らない存在」だと思い至ります。 The author comes to the realization that “his existence is as insignificant as the breeze in the afternoon.”

道がない場所だったので、私も彼と同じようにフカフカした厚い絨毯のようなコケの上を歩いていました。振り返ってみると、本当に、私の足跡など、どこにもない!彼の経験は本当だった事に感動しました。 There was no path, so I was walking on the same thick, fluffy carpet of moss as he was. When I looked back, there really were no footprints of mine, or any other footprints, anywhere! I was impressed that his experience was real.

もう一つは、見渡す限り誰もいないツンドラ荒野で、大声を上げて叫んでみたかった。 The other thing I wanted to do was to scream out loud in the tundra wilderness, where there was no one as far as the eye could see.

作者は、そんな事をしても荒野に吸い込まれてしまうだけだと記述します。「大昔の音のない世界と同じように無言で語りかけてくる。すべてをありのまま受け入れるようにと誘いかけてくる。」 The author describes how such a thing would only suck you into the wilderness. He says, “Like the soundless world of long ago, it speaks to us silently. It invites us to accept everything as it is.”

確かに、何の返信もなく、風の音だけが聞こえていました。私の近くでユキホオジロが行ったり来たりしていただけでした。 Indeed, there was no reply, only the sound of the wind. All I heard was a Snow Bunting coming and going near me.

帰り道、作者が発見したように片麻岩を探しました。もちろん、深い知識がないので岩石を見てどんな石か区別ができるわけではありません。そこで、家のキッチンのカウンタートップと似たような模様なら、少なくとも花崗岩らしくなるので、そんな小さいかけらを拾ってホテルに戻りました。 On the way home, I looked for gneiss as the author discovered. Of course, not having in-depth knowledge, I could not distinguish what kind of stone it was by looking at the rock. So I picked up small pieces of gneiss that looked like granite, at least it had a similar pattern to the kitchen counter top at home.

補註:片麻岩は地下深くまで潜り込んで再結晶化した岩石です。二つの大陸がぶつかり、縫合された場所ではよく発見される岩石だそうです。後、作者達はそれを証明する証拠をさらに発見していきます。そして、まさにここは、18億年前、二つの大陸が衝突して縫合した場所 なんですね。すごい! Sidenote: Gneiss is a rock that has recrystallized after burrowing deep underground. It is a rock often found in places where two continents collide and are sutured together. Later, the author and fellow geologists discovered more evidence to prove it. And this was exactly where the two continents collided and stitched together 1.8 billion years ago. Amazing!

最後に、ツンドラで見かけた花や植物を紹介します。 Finally, here are some of the flowers and plants I saw on the tundra.

Hike 1: MV Rock


今朝、去年から降り続いていた雨が止んで、MVロックに光が差していました。 A ray of light was illuminating MV rock this morning after the recent rains.

昼過ぎには雨雲も見えなくなったので、久しぶりにMVロックまで行くことにしました。 We hiked up to MV rock for the first time in a long time since the rain clouds went far away in the afternoon.

往復、7.25kmのハイクとなりました。 It was a 4.5 mile loop hike.

MVロックの裾野には、ドラゴンと、巨大なターバンを被ったカタツムリが生息しています。 A dragon and a gigantic snail wearing a turban live there at the bottom of MV rock.

雨上がりのすぐ後だったので、苔や地衣類が嬉しそうでした。 The moss and lichen looked so happy because it was right after the rain.

今年、初めてのハイクでした。今年は50回のハイクにチャレンジしたいです。 It was the first hike for the year. I want to challenge 50 hikes this year.

Hike 35: スパニッシュ ウォッシュ Spanish Wash


この日は Red Cliff Desert 保護区内で「ニシアメリカフクロウ」が見られと聞いたので行ってきました。ウロウロしたので正確な距離は分かりませんが、7.5kmを主にスパニッシュ ウォッシュに沿って歩きました。We went to Spanish wash in Red Cliff Desert Reserve because we heard that an owl had been seen there. We are not quite sure of the exact distance, but it was about 4.5 miles out and back along the Spanish wash.

まず、長いトンネルを通り抜けます。 We went through the long dark tunnel first.

そして、こんな所をズンズン歩いて行きます。 Then, we went through places like this to get to deeper sections.

フクロウが最初に発見された場所がここです。 This was the place where the owl had first been spotted.

でも、残念ながら、全く姿が見えませんでした。 But we didn’t see any sign of owls there, unfortunately.

そこで、再びズンズン進んでいくと、周りの丘が夏に比べて緑色になっているのに気がつきました。苔が最近の雨で青々とし始めたんですね。 So we marched on. Then I realized that the hills were greener than before because the moss was greener.

フカフカしています。 It looks so cushiony.

これの写真にも苔が生えているんですが、よく見ると岩の中を突き抜けて伸びているのが見えます。すごい生命力です。きっとこんな根っこがあと100万年もしたら木の化石になっているのかもしれません。 The picture below also shows the moss, but if you look at it closer, you can see a root stretched through the rock. How awesome to see such vitality. I imagine that it will become petrified wood in a million years.

それから更にズンズン進みましたが、フクロウの姿はついに見つけられませんでした。きっと、年末休暇をとっているのでしょう。 We went on a little further in the wash, but couldn’t find any owls. They must have gone on vacation for the end of the year.

諦めた私たちは、帰途、矢じり探しに集中しました。 So we decided to go back along the same path we came in on, but this time, we focused on looking for arrowheads on the ground.

かつてアメリカ先住民が狩猟のためにたくさん作っていたのでしょう。いくつか発見できました。先端は破れてますが、左端の根元が矢じりであったことを証明してくれます。 I imagine that American indigenous people made many arrowheads for hunting. We found a few. The left side of the sample above indicates that it was an arrowhead, although the tip on the right side was broken off.

ところで、これはなんだと思いますか? By the way, what do you think these are?

美味しそうでしょ? Aren’t they delicious looking?

モキマーブルと名付けられているボール状の酸化鉄です。長い年月の後、ナバホ砂岩から鉄分が分離して、鉄が参加することによって赤みを帯び、ボール状になったものです。コンクリーションとも呼ばれています。 They are called “Moqui marbles” or “Moqui balls”. After millions of years, the iron separated from the Navajo sandstone, oxidized, and became a ball. It’s also called a “concretion.”

こちらの写真はモキマーブルがまだ完全に分離されていない段階です。雨が降って水にさらされることにより砂岩の侵食が進むと、ポロリと分離するんですね。面白いです。 The picture below shows a moqui ball that is still attached to the sandstone wall. I can see that rain water eroded some of the sand around it. I wonder how long it will take for this particular ball to come out from the wall as the erosion continues. Isn’t it interesting?

いやいや、こんなことありえないよね?岩壁に見つけたモキマーブルのアパート? At one point, we found a moqui ball apartment. I am sure this was not formed naturally.

Olympic NP – Lake Quinault Lodge 2


今日は温帯雨林の話し。
日本も温帯雨林に入るようで、その意味では何が特別なのってことにもなりますでしょうか。
日本では白神山地とか屋久島が有名で、世界遺産に指定されていますね。

ここ、オリンピック国立公園もこの温帯雨林が特に有名で世界遺産に登録されています。
とにかく、ほとんどすべての木はコケなどで覆われています。20140724-IMG_6756.jpg雨林といわれるだけあって、降水量が断然高いわけです。
このロッジには降水量を示すゲージが建物の外に付けれています。
20140721-IMG_5897.jpg
15 ft (4572 mm) の所にあるバー(羽の近く)は過去の最高降雨量を示しています。
また、今年は9 ft (2743 mm) をさしています(人の頭の少し上)。今年の降水量は少ないようですね。
私達の滞在中も時々の晴れ間はありましたが、ずっとシトシト、ザーザーと雨が降っていました。

そういえば、Stephenie Meyer のTwilight シリーズの舞台は、こんな雨がずーっと降っているワシントン州でしたよねー?
なるほど、これならバンパイアのエドワードも住めそうです。ジェイコブがインディアンってのもうなずけます。

話を戻して・・・
苔むす森林に覆われてますから、そりゃあ、いろいろな話も出てくるでしょう。
雨林ツアーで聞いた初めて開拓に来た人たちの話は、とても興味深いものがありましたが、それは長くなるので別の機会ということにして、この人。
https://flic.kr/p/oe2C34
インディアンには昔からサスクワッチという名前で伝承されているようです。ビッグフット。
勿論、本物ではないですが、薄暗い時に道端で見つけたら、ちょっと驚くかな。

まだ話が戻ってませんね~。
でも、なんというか、何枚も写真を撮っては見たんですが、苔むす森林をどう撮っていいかわからずじまい。だからイマイチいい写真もなく終わってしまったようです。
自分の中にそれほどの思い入れもないし。

20140723-IMG_6631.jpgでも、森の中は雨の雫で時々入る光に照らされてきれいなんです。宝石が散りばめられたよう。20140724-IMG_6785.jpg私達の歩いたコースはGraves Creek Trailhead から2.5マイルほどかけてPonny Bridge まで行って帰ってくるコース。
蚊もたくさんいましたが、小さく可憐に咲く野草たちは雨の中で清楚です。
20140724-IMG_6781.jpg
Bunchberryゴゼンタチバナ
20140724-IMG_6798.jpg
Red Huckleberry20140724-IMG_6786.jpg
そして、好きになったアルダー
20140724-IMG_6713-Edit.jpg
白樺のように幹が白いんですが、驚くことにLichenという菌に覆われているからなんです。
コケも生えてなんだか毛皮をつけているようでしょ?
枝の先まで全部Lichenで覆われます。
20140724-IMG_6905.jpg
コケが木に生えることで木も強くなるんだそうです。
ほら、例の酵素が分子を分解してくれるって言う奴ね。
人間の腸の中の善玉菌がいろいろ分解してくれるのと同じように考えればいいんでしょうか。
だから、Win Win シチュエーションで共存を見事に果たしている自然の姿というわけですね。

それでも木にコケが生え過ぎて重くなり、木の下の方の枝は途中で折れてしまうらしいんですが、それが理由で「ピアノキー」というあだ名を付けられたということです。
最初はなんで~?と思いましたが、この木を発見して、納得。
20140724-IMG_6752.jpg
横にしたら鍵盤に見えませんか?

コケ。何百種類ものコケが群生しています。
https://flic.kr/p/ovjciu
Lichenとの違いはしっかりあります。
コケは植物ですが、Lichenは菌類でキノコとかカビの仲間です。
でも、識別しにくいものも多いので、コケと名前がついているLichenもあるそうです。
この白いフワフワっとしたのはLichenだと思います。ちょっと驚きでしょ?
https://flic.kr/p/otuogA
多分、Lichenはコケほど柔らかくないんだと思います。

これはコケなんじゃないかな。(まちがっているかもしれません・・・)
https://flic.kr/p/oe3wkZ

ところで、ロッジにはアジサイがたくさん咲いていました。
アジサイはこの地の花ではなく持ち込まれた花ですが、この地質にとても合って繁殖しているそうです。
どのショットも気に入ってます。
20140722-IMG_6122

他にも書きたいことがたくさんあります。
ビーチにも行きましたが、そこで見たSpruce という木
癌により、ちょっと変形しちゃってたんです。とはいえ、病気というわけでもなさそうです。
串刺しのお団子みたいだったり、これなんか、日本の埴輪を連想させてくれるよう。
20140723-IMG_6587

食べ物に関して言えば、サーモン料理はめっちゃ美味しかったなー。
当然ですよね。新鮮な魚が手に入るんですから。
だからシンプルにグリルされてる皿の方が、より美味しかったと思います。

ロッジも居心地よかったですね。
丁寧な対応とフォローアップで、「ここはアメリカですか?」と思えるほどいいサービスでした。20140722-IMG_5925.jpg
ちょっと奥まったところに位置するので、訪れにくいです。
それが効を奏して、全体的に落ち着いた雰囲気になっているのかもしれません。
確実に3-4泊以上の宿泊予定で来ている客がほとんどでしょう。
私達も5泊できて正解でした。
それぐらいゆったりとした時間を持って訪れる場所だと思います。

[おしまい]
他にもflickrに写真を載せましたので、よかったら見てください。