最初に、 National Monument の日本語訳について。いつも悩みます。いろなところから収集した資料をまず、まとめておきます。
その定義に当てはまる言葉が日本語にはないことがそもそもの問題なんですね。
- National Park: こちらは国立公園で問題ないでしょう。国の管理のもと、傑出した自然公園として指定されている。
- National Monument: 国の指定というより、大統領が一人で指定することができるところが一番の違いで、国の予算で管理されているところは同じです。保護されるものの数の多さと予算も違うらしい。天然自然物、国定記念物みたいな訳語になるんでしょうか。
- State Park: 都道府県が管理している見地から国定公園に近いのかな?
ということで、Cedar Breaks 国定記念物。
地質学についてほとんど知識のない私にも、とても面白かったレンジャーの説明に、「そうだったのね〜!」と感心したことが3 点ありました。
- Cedar Breaks という名前の由来。
- 近くにあるHoo Doo の奇岩がたくさんある Brice Canyon 国立公園との違い。
- Brice Canyon 国立公園の名前は間違っている!
今日は話が長くなるので、一番目について書きます。
地球の歴史60億年に比べると、かなり若いですが、ようやく火山や地殻変動がひと段落した頃、9千万年ちょい前からスタートです。ということは、恐竜たちの繁栄の終わりの頃。
この地帯はコロラド高原の最西端に位置します。Zion, Canyonland, Grand Canyon などがある同じ高原です。そして、この辺は海岸沿いの一等地だったんですね。波が寄せては引いて繰り返し、あらゆる所から運ばれてきた堆積物が化石をたくさん含みながら茶色い地層になっていったとパンフレットには書かれています。
そして、ここには Hurriane Fault (ハリケーン断層)が走っていて、1千万年ぐらいかけて地震を繰り返し、高原の西側、今の Cidar City 、は低くなり(5,800 フィート、1,767m) 、その反対側、Cidar Breaks 近辺はぐんぐん盛り上がり、10,350 フィート (3,155m)まで上昇しました。

Amphitheatre から見下ろす景色。遠くに見えるのがCedar City.

ようやく春が来たよとロビン君。
つまり、断層によってCedar 地帯が2分割されてしまったから、Break (割れるという意味)という言葉が名前の一部になったんですね。そ〜か〜。納得!
補足です。荒地のことを昔はよくBreaks と言っていたからとも言われています。でも、断層による分割があったからという説明の方がグッと理解できちゃいますよね。
ここは山ではなく高原ですが、高さのイメージを掴むために日本の山と比べると、日本の二番目の山、北岳よりちょっと高いところにある高原ということになります。どおりで寒いわけです。つい先週まで雪が降っていたので入れませんでした。また、ハイキングコースはまだ通行止めとなっています。多分、7月ごろから解禁されるとのことです。富士山の山開きと同じですね。

道端のアスペン。まだ雪が積もってます。

Chipping Sparrow が捕まえた獲物を見せてくれました。
ちなみに、私の住んでいる所、St George は海抜 2,860 フィート、872m です。支笏、洞爺地方の天狗岳と同じなんだ。こちらの日本の山一覧(高さじゅん)サイトを見ながら、ふむふむ、そっかー。
高い山トップ10のうち、3つしか登ってなかったのね。もう登る機会もないかなと思うとちょっと残念です。