「黒い物を探してるんだけど、あまり思いつかないんだー。」
「当然だよ。この世の中には、本当に黒い物体はたった一つを除いて何もないんだから。」
「わっ、たった一つ?それって何?」
「ブラックホールだよ。全ての物体はごくわずかでも光を反射するから知覚できるでしょ?黒の定義は100%光を反射しないことだからね。」
「ブラックホールって、物なの?現象が起こる場所だと思ってた。」
「ブラックホールは巨大な星が引力によってギューっと凝縮してできるんだ。凝縮し尽くせなくなる状態は引力が半端じゃなくて、光さえ吸い込んでしまうほど強くなるんだよ。」
「ふーん、それって、星のライフサイクルの終わり?それとも始め?」
「終わりに起こる。」
「じゃあ、宇宙にはたくさんブラックホールがあるの?地球もいつかはそうなるの?」
「何千億もあるよ。でも地球はならない。」
「なぜ?どうしてそう言えるの?」
「ブラックホールになるためには巨大な星じゃないとダメなんだ。巨大な引力が必要だからね。太陽だって赤色巨星ぐらいにしかなれない。」
「じゃあ、どのぐらい大きかったらブラックホールになれるの?一体どの辺にいるの?」
「太陽の十倍ぐらいないとダメだよ。ブラックホールには2つの種類があって、小さいステラーは太陽の4ー10倍あるとされてる。巨大なものはこの銀河系の中心にもあるけど、何億倍もあるとされている。たいていの銀河の中心には巨大ブラックホールがあると言われてるよ。」
「ふーん、ところで、ブラックホールって、丸いの?宇宙でフワフワ動き回ってるの?」
「宇宙の中のものだから丸くて動き回ってる。」
・・・と永遠に続く質問ぜめ。
ブラックホールに吸い込まれそうなところを、バンちゃんは必死にもがいて2階に逃げて行ってしまいました。