さあ、いよいよ旅も終盤。コロラド州に入りました。
風景ががらりと変わり、砂漠地帯を抜けたことがわかります。
私たちの旅の最後の訪問地、Mesa Verde 国立公園です。
まずビジターセンターに寄りガイドツアーの予約をします。ここには13世紀にプエブロ族が住んでいたクリフハウスと呼ばれる、まさに崖のくぼみに作られた家があり、世界遺産にもなっています。
これはクリフパレス。600もあるクリフハウスの中でも、一番大きく、考古学上、とても貴重な物があるとされています。修復中で見学できませんでしたが、全容が向かいの崖から見えます。150の部屋と23のKivaと呼ばれる祭事や集会をするための部屋があり、100人ほどが住んでいただろうと推測されています。
こちらはバルコニーハウス。私たちはここと、ロングハウスの見学をしました。この写真からわかるように、バルコニーハウスの上は平らな土地で、そこにトウモロコシなどを植えていました。急なハシゴを登るので、高所恐怖症の人には不向きです。ちなみに、プエブロ族の人たちはハシゴは使わず、壁にある窪みをつたって上り下りしたと説明を受けました。
これが典型的なKivaです。右横の壁にある穴が煙突のような空気孔。ほぼ中央にあるのが火を炊く所。そして、左にある小さな窪みがSipapuです。この3点が一直線上に並んでいます。Sipapuとはプエブロ族の宗教の核です。いわゆる前の世界とつながるポータルのようなものです。プエブロ人はこのポータルを通ってこの世界にやって来たのです。この世は第4世界で、次の世界につながる場所を今でも求めていると説明されました。その辺のこと、詳しく書いてある文献がネット上で見つけられなかったので、少々不確かです。
こちらはロングハウス。
ほとんどのクリフハウスは同じようなものなので、一つ見たら十分かなと思います。ただ、ここでは彼らがどのように水を得ていたのか説明がつくものが見られます。
岩を通して水が滲み出て来ているんです。だから、贅沢はできなかったかもしれないけど、不自由はしなかったようです。
こちらは不思議な6本指の跡。
クリフハウスの下は、当然絶壁ですから、落ちたら即死です。でも、彼らはそこを上り下りして生活していたんですね。
ここには100年間ほど住んでいたと言われています。それがその後、一斉に移動することになります。色々な説があるようですが、水不足による飢饉、病気、などが理由と推定されています。本当のSipapuを求めて移動したのかもしれません。
この公園では、自然発生の山火事が何度か起こっており、公園のほぼ全域が焼けたことになります。この平地がかつてトウモロコシ畑だったんですね。そして、すべてのプエブロ族がクリフハウスに住んでいたわけではなく、他のプエブロ族もこの辺に住んでいたはずです。
火事で萌えてしまった後に生えて来たナラの木。
ビジターセンターでは、発掘された土器が保管されています。興味のある方は、ぜひレンジャーに話しかけることをオススメします。
それから、最後にもう一つ。将来、ゴミ箱も少しマシになるかなると思わせてくれた一例を発見したので、パチリしました。
いい線いってます。公園内の地図を描いてもいいし、いっそ、掲示板にしてもいいかも。などなど、ゴミ箱はアイディアを募ったらいいものが沢山出て来そうですよ。