最近の私はドクター・フーみたい。時の空間を超えてアナログの世界へ行ったり来たり。カメラはさしずめターデスというタイムマシンというところ。
フィルム写真は時間のスピードを十倍ぐらい遅くした世界です。現時点でのデジタルではまだかなわないアナログ写真は、より鮮明なイメージを期待できるはずです。セオリーとしてはね。
暗室での作業の多さ、有毒な液体の調合など、一枚の写真ができるまで、最低、丸一日はかけないと自分の撮ったショットの結果がわからないって、考えられます?
ただ、そんな煩雑な作業を経てできた一枚には、自分の作品だという愛着も生まれるようですね。また、瞑想の時間にもなりえます。暗室の中、現像液に漬けて1.5分するとイメージがスーッと浮かび上がってきます。その間、何を考えるのでしょうね、みなさん。そして、ストップバス、フィキサーを経て、水洗い。その後ようやく紙を乾かす事ができるという、面倒臭さ。たとえ全行程が終わっても、光の当て方でうまくプリントできてなかったり、様々な微調整が必要で、何枚も繰り返す事になります。忍耐力との勝負ですね
今日はこのプリントを最後に時間切れとなりました。ドッジングをして、左側の顔をほんの少し明るくしたい。
さてさて、それとは真逆に写真のクラスはクォーター制なので、猛スピードで進みます。来週には中間試験があります。ParScoreなるスキャントロンシートを買ってきました。100問ぐらい出るらしい。
写真の歴史と、写真の基本。そして、フィルム現像とプリントの全ての工程に必要な液体とその作り方、使い方、などなど。チョロい・・・と思ったけど、結構な情報量です。
デジタルの世界でも大切な概念を一つ、書いておきます。それは、Depth Of Field (DOF) 。日本語では被写体深度と言われるらしいです。これは、まさにみんなが好きな「ボケ」の効果を出すための基本要素です。DOFが浅いと、ピントが合った部分が浅いという事で、その他はピントが合っていない、つまりボケることになります。DOFをどのぐらいにして、どのぐらいにボケを作りたいのか、その辺がカメラマンの腕の見せ所という事になります。
さて、ボケのカラクリ。どうしたらボケをコントロールできるのか。
レンズのフォーカルレングス、F-stop、そして被写体までの距離、この3つで決まります。熟練のカメラマンは一瞬にしておよそのDOFを把握してしまうそうですが、初心者は一生懸命計算しないといけません。というか、計算そのものが難しいので、おおよその目安を掴んでおくか、ウェブサイトに頼ります。例えば、こんなサイト。http://www.dofmaster.com/dofjs.html
大抵はDOFをそれほど気にせずパチパチ撮ってもなんとかなるはずです。でも、今回、すごく神経質になっている理由があるんですね。それは、今週末にダンス教室のショーケースで、子供達を撮影するという仕事が待ち構えているからです。
踊っている子供達をどんなレンズでどんな風に撮るのか。先週末のテストランで汗だくになって状況把握を試みてみました。その結果、35mmレンズを一台に設置。もう一つは70-200mmレンズを設置。念のため、24mm-70mmと16mm-35mmレンズも持っていきます。会場は観客でぎっしりとなり、あまり動け回れないかもしれないとの情報あり。それなら三脚の使用もありかなと思いますが、動いている子供達だから、いずれにしろシャッタースピードは早くなければいけません。だから、持っていくけど、使わないでしょう。勝負は、明かりの制限の中、フラッシュを使えないので、ISOとF-stopの組み合わせですね。200mmレンズのDOFはとっても浅いので、より神経質になります。だから、なるべく使いたくないです。でも、上半身のアップの写真も欲しいという要望なので、それに応えなくてはいけません。どうなることでしょうか。
そんなこんなで、実は最新のレンズ、35mmを買ってしまいました。EF 35mm f/1.4L II USM
何がすごいかというと、アパチャが1.4もあるということ。つまり、少しの光でもISOをそれほど上げずにそれなりにいいショットが撮れるというもの。そして、DOFに関しては、子供から3m以上離れていたらそこそこ深いから大丈夫ね。なんて考えたわけですよ。
もう2月。ご近所のプレッシャーでつけてみたバレンタインデー用の旗。35mmで撮ってみました。