記念すべき 10 番目にふさわしいプロジェクトだったかもしれません。
名づけて「おかえりなさい」の箱。今日はそんな箱のお話し。
先日 K からこのハンカチをいただきました。
「これね、こんなにあながあいちゃっていて、使えるわけないのにね。
でも、どうしても捨てられなくて取って置いたの。この菖蒲と緑の色、いいでしょ。
そう恥ずかしそうに話す友に、
うんうんとうなずく私でした。
確かに、泣きたくなるような、懐かしい和風デザイン。
何とか大切に使いたいとずーっと思っていました。
いろいろな箱と色の組み合わせパターンを考えて。
布を買いにいきたいところをグッと抑えて、家中の洋服やシーツ、ハンカチ、スカーフ、などなど全部物色して。
何度も何度も。
落ち着いた色は紫。前回の箸箱の残り布。
最初は使うつもりのなかった穴あきの部分。
紫の布の上に置くとそんなに悪くないんです。
まだらに剥げ落ちた色からも味が出てきました。侘び寂の世界に少し近づいた?と一人でテンションを上げて完成を目指します。
丁寧に布のデザインと穴の位置を決定します。微妙にずらして穴あきとまだら模様と崩れたバランスをねらいます・・・なんちゃって。
これ、実はばんちゃんのアイディアです。
「そんなに大切なハンカチなら額に飾っておけば?」と、彼。
「そうなんだ、そのアイディアがあったよね~!」と蓋の裏に使うことを思いついたんでした。
そして勿論、
「おかえりなさい」
大切なハンカチと共に、きっと思い出も帰ってきますように、ね。
もう10個目というより、まだ10個?という気がします。記念すべき10作目にあのハンカチを使っていただいて、こんな風によみがえって感動です。本当に捨てなくてよかった。Mシャンに出会えてよかった。そしてあの穴ぼこまで活用してもらった。季節的にも会っていますね。「和」の柄は古くてもぼろくてもそれなりに味がでるのがいいですね。拍手喝采!
ありがとう。ついにここまで来られたって感じです。ぜひ近いうちにさしあげたいです。