濁った良心


昨日の Home Depot の出来事は、私の価値価値基準がどこにあるのか再考させるものだった。

Home Depot に行った。ハローウィーン用にUV電球と乾電池を買うためだ。
駐車場に車を止めて、車を降りて、建物に向かおうとしたら、ばんちゃんが
「何かおかしい。あの倒れ方は気になる。」と、言って建物とは逆の方向を向いている。
私も振り返ると、男の人が倒れていた。
その傍で店員ともう一人の男性が、大丈夫かどうか大きな声で話しかけていたんだと思う。

ばんちゃんがまず一歩を踏み出して、近寄っていったので私もついていった。
歩きながら2つの質問が頭をよぎった。

  • 確かに不自然な倒れ方で、自分から疲れて昼寝をしているようでもない。勿論、昼寝をするような場所ではない。でも、まさかそんな人がここにいるわけないでしょ?
  • ヒスパニック系の人だな。ここを通りかけるたびに見かける、不法侵入した日雇い労働希望者の一人かな。もしかして、ただお腹がすいているだけなんじゃないかな?

こんな事を考えながら歩いていたら、サカサカっと近づいて、大丈夫?どうしたの?と彼の手をとり、看護婦さんのように声をかけ始めた女性がいた。この時すでに、店員と男性はどこかに消えていた。
彼女は携帯で 911 に電話して、ディスパッチャーに倒れている男性の状況を説明していた。私達は何をすることもできずにそこにいた。でも、彼女が時々同意を求めるような話し方で私達を見つめるので、しっかりとうなずいてあげた。

Home Depot の敷地内の事なんだから、店の人がいなくてはいけないと彼女がいった。それを受けて、店の中に走りこみ、店員を探した。マネージャーに話したからと言って、あまりかかわりたくないような人を引き連れて返ってくる時には、すでに救急車のサイレンがきこえていた。ばんちゃんは救急車を誘導して戻ってきた。

救急車の人たち3人は、やはり訓練と経験をつんでいるので、迅速に容態のチェックをしながら、話しかけている。一通りの質問と確認の後、立ち去ろうとした時、ようやくマネージャがダラダラとした足取りでやってきた。そして、私達より先に立ち去っていった。

いろいろな事が頭をよぎる。

  • 一人だったら、多分、かかわらなかった。
  • たとえ声をかけたとしても、彼女のように、手をとって脈を測ったりはしなかっただろう。
  • 非日常の出来事は、なかなか受け止められないんだな。生死にかかわることかもしれないのに。
  • フル装備の救急車サービス、そして病院での看護は、税金でまかなわれる。不法侵入者をこんな風に扱っていたら、当然財政難になっちゃうよな、と一瞬思った自分をどう受け止める。
  • 彼がどうして不法侵入者だと決め付けられるのか。英語が通じないし、質問の答えからも多分そうだろうと思われるが、私は会話を聞く前にすでにそう思っていただろう。
  • たいしたことはできないとしても、客にこういう状況をあずけたまま、礼もいわず立ち去って行ってしまったマネージャは、なに?それはないでしょ。

誰も厄介なことにはかかわりたくない。だから、まわりには人が行き来していても、集まってはこなかった。最初に手を差しのべた彼女だって、どうしたらいいかわからなかったのにね。
後で、一緒にいてくれてありがとうと、彼女から礼を言われた。でも、私は後ろめたさを感じていた。

彼女の勇気ある行動は、目の前に倒れている人はどんな人であれ、まず救っていこうという医者の姿勢だ。生死の境をさまよう状況下なら、当然だろう。
ばんちゃんが踏み出した一歩は、口先だけの良心しか持っていなかった私を反省させた。本気で生きていることを思い出させた。

平穏な午後の普通の駐車場、戦争中でもあるまし、なんで人が道端に倒れていなければいけないの?それとも、本当は、いつそんな事が起こってもおかしくない状況なのか。つい数日前にとんでもない事件があったこと、忘れているわけじゃない。でも、本物の事態として受け止められないのは、なぜだろう。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください